9条2項維持案 賛成38% 首相案は浸透不足 – 東京新聞



 共同通信社の世論調査で、自民党が改憲論議で進める九条への自衛隊の存在明記に関し、民意が割れている実態が浮き彫りになった。安倍晋三首相(党総裁)は、戦力不保持と交戦権否認を定める二項を維持したまま自衛隊の存在を書き込む案を提起したが、浸透不足は明らか。首相が狙う改憲への環境整備が進むのか見通せない。

 二項維持案への賛成30・5%−。「支持する政党はない」とする無党派層の回答だ。「二項を削除した上で、自衛隊の目的・性格を明確化すべきだ」と答えた人は24・3%で、「憲法改正は必要ない」は31・3%。改憲の国民投票の結果を左右するとみられる無党派層の意見は、おおむね三等分された格好だ。

 年代別の隔たりも目立った。二項維持支持は三十代以下の若年層で47・0%に達したのに対し、六十代以上の高年層は30・7%止まり。逆に、改憲は必要ないとの答えは若年層で16・3%しかなかったが、高年層は32・4%と大きな差がついた。

 高年層には先の大戦と、戦後の混乱期の記憶が残り、改憲への抵抗感が根強いとみられる。改憲案への賛同が広がらなければ、国民投票の前提となる改憲の国会発議すらおぼつかない。

 「いよいよ実現する時を迎えている」と改憲に前のめり気味の首相は、国会でも野党からの質問に積極的に応じ、議論をけん引しようと意気込む。だが、安倍首相の下での改憲に反対と答えた人は49・9%。一月の前回54・8%、昨年十二月の前々回は48・6%と、50%前後を行き来する。

 今回、内閣支持率は昨年五月以来の50%台に乗せたものの、同二月に60%を超えていたことを踏まえれば、「森友、加計(かけ)学園問題で失った信頼が戻ったとは言えない」(自民党中堅)のは明白だ。この状況で国民投票に臨めば、政権への信任投票の様相を帯び「『安倍降ろし』の政局を仕掛けられる」(同ベテラン)リスクも背負う。

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